○長瀞町立学校における妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等に関する要綱

平成30年1月11日

教委訓令第1号

(目的)

第1条 この要綱は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント(以下「ハラスメント等」という。)の防止及び排除並びにハラスメント等に起因する問題が生じた場合に適切に対応するために必要な事項を定めることにより、職員の人格が尊重され、職員の十分な勤務能率の発揮と公務の円滑な運営を確保するとともに、働きやすい良好な勤務環境づくりを促進することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において「ハラスメント等」とは、職場における次に掲げるものをいう。

(1) 職員に対する次に掲げる事由に関する言動により当該職員の勤務環境が害されること。

 妊娠したこと。

 出産したこと。

 妊娠又は出産に起因する症状により勤務することができないこと若しくはできなかったこと又は能率が低下したこと。

(2) 職員に対する次に掲げる妊娠又は出産に関する制度又は措置の利用に関する言動により当該職員の勤務環境が害されること。

 出産休暇(学校職員の勤務時間、休暇等に関する規則(平成7年埼玉県教育委員会規則第9号。以下「規則」という。)第12条第1項第1号)

 通院休暇(規則第12条第1項第2号)

 通勤緩和休暇(規則第12条第1項第3号)

 妊娠障害休暇(規則第12条第1項第4号)

 出産補助休暇(規則第12条第1項第18号)

 からまでに掲げるもののほか、妊娠又は出産に関する制度又は措置

(3) 職員に対する次に掲げる育児に関する制度又は措置の利用に関する言動により当該職員の勤務環境が害されること。

 育児休業、育児短時間勤務及び部分休業(地方公務員の育児休業等に関する法律(平成3年法律第110号)第2条第1項、第10条第1項及び第19条第1項)

 勤務時間の弾力的な割振り(学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例(平成7年埼玉県条例第28号。以下「条例」という。)第4条第2項及び第3項)

 深夜勤務又は時間外勤務の制限、免除(条例第9条第1項、第2項又は第4項)

 育児休暇(規則第12条第1項第5号)

 子育て休暇(規則第12条第1項第6号)

 男性職員の育児参加のための休暇(規則第12条第1項第19号)

 からまでに掲げるもののほか、育児に関する制度又は措置

(4) 職員に対する次に掲げる介護に関する制度又は措置の利用に関する言動により当該職員の勤務環境が害されること。

 勤務時間の弾力的な割振り(条例第4条第2項及び第3項)

 介護休暇(条例第17条)

 介護時間(条例第17条の2)

 深夜勤務又は時間外勤務の制限、免除(条例第9条第3項又は第5項)

 短期介護休暇(規則第12条第1項第8号)

 からまでに掲げるもののほか、介護に関する制度又は措置

(校長の責務)

第3条 校長は、職員がその能率を十分に発揮できるような勤務環境を確保するため、ハラスメント等の防止及び排除に努めなければならない。また、ハラスメント等に起因する問題が生じた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。この場合において、ハラスメント等に対する職員の対応に起因して当該職員が職場において不利益を受けることがないよう配慮しなければならない。

(職員の責務)

第4条 職員は、次条第1項の教育長の定めるところに従い、ハラスメント等の防止に努めなければならない。

2 教頭等は、良好な勤務環境を確保するため、自身の言動に注意を払うとともに、日常の執務を通じた指導等により、ハラスメント等の防止及び排除に努めなければならない。また、ハラスメント等に起因する問題が生じた場合においては、迅速かつ適切に対応しなければならない。

(職員の認識すべき事項)

第5条 教育長は、ハラスメント等を防止するために職員が認識すべき事項及びハラスメント等に起因する問題が生じた場合において職員に望まれる対応等について定めるものとする。

2 校長は、職員に対し、前項の教育長が定める事項の周知徹底を図らなければならない。

(研修等の実施)

第6条 教育長は、ハラスメント等の防止等を図るため、職員に対し必要な研修等を実施するものとする。

2 校長は、ハラスメント等の防止等を図るため、前条第1項の教育長が定めるものを踏まえ、必要に応じて職場研修を実施するものとする。

(苦情相談への対応)

第7条 校長は、ハラスメント等に関する苦情の申出及び相談(以下「苦情相談」という。)が職員からなされた場合に対応するため、校内に苦情相談を受ける相談員及び相談員からなる委員会を置き、必要な措置を講ずるものとする。

2 職員は、校内の相談員に対して苦情相談を行うほか、必要に応じて原則として校内の相談員を通じて長瀞町教育委員会に対して苦情相談を行うことができる。

3 苦情相談を受ける校内の相談員及び長瀞町教育委員会の相談員は、苦情相談に係る問題の事実関係の確認及び当該苦情相談に係る当事者に対する助言等により、当該問題に迅速かつ適切に対応するよう努めるものとする。この場合において、相談員は、教育長が定める苦情相談への対応に関する事項に十分留意しなければならない。

(懲戒処分等)

第8条 教育長は、職員のハラスメント等の態様が信用失墜行為、全体の奉仕者たるにふさわしくない非行などに該当すると認めるときは、その程度に応じ、当該職員に対し、懲戒処分等必要な措置を講じるものとする。

(その他)

第9条 この要綱に定めるもののほか、ハラスメント等の防止等に関し必要な事項は、教育長が定める。

附 則

この訓令は、公布の日から施行する。

「長瀞町立学校における妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等に関する要綱」の運用について

(平成30年1月11日決裁)

第1条(目的)関係

「職員」には、非常勤職員、臨時職員を含む。

第2条(定義)関係

1 「ハラスメント等」とは、職員の言動によるもの(業務分担や安全配慮等の観点から、客観的にみて、業務上の必要性に基づく言動によるものは除く。)が該当する。なお、男性職員に対する言動を含む。

2 「職場」とは、職員が職務に従事する場所をいい、当該職員が通常勤務している場所以外の場所及び懇親の場等であって当該職員の職務と関連するものも含まれる。

3 「妊娠又は出産に起因する症状」とは、つわり、妊娠悪阻、切迫流産、出産後の回復不全等、妊娠又は出産をしたことに起因して妊産婦に生じる症状をいう。

4 ハラスメント等に該当する典型的な例としては、次に掲げるものがある。この場合において、これらは、限定列挙ではないことに留意するものとする。

(1) 職員が、妊娠等をしたこと(要綱第2条第1号に掲げる事由をいう。以下同じ。)又は制度等の利用(要綱第2条第2号から第4号に掲げる制度又は措置の利用をいう。以下同じ。)の請求等をしたい旨を上司に相談したこと、制度等の利用の請求等をしたこと若しくは制度等の利用をしたことにより、上司が当該職員に対し、昇任、配置換等の任用上の取扱いや、昇格、昇給、勤勉手当等の給与上の取扱い等に関し、不利益を受けることを示唆すること。

(2) 次のアからエまでに掲げる言動により、制度等の利用の請求等又は制度等の利用を阻害すること(客観的にみて阻害されるものに限る。)。

ア 職員が制度等の利用の請求等をしたい旨を上司に相談したところ、上司が当該職員に対し、当該請求等をしないよう言うこと。

イ 職員が制度等の利用の請求等をしたところ、上司が当該職員に対し、当該請求等を取り下げるよう言うこと。

ウ 職員が制度等の利用の請求等をしたい旨を同僚に伝えたところ、同僚が当該職員に対し、繰り返し又は継続的に当該請求等をしないよう言うこと(当該職員がその意に反することを当該同僚に明示しているにもかかわらず、更に言うことを含む。)。

エ 職員が制度等の利用の請求等をしたところ、同僚が当該職員に対し、繰り返し又は継続的に当該請求等を取り下げるよう言うこと(当該職員がその意に反することを当該同僚に明示しているにもかかわらず、更に言うことを含む。)。

(3) 職員が妊娠等をしたこと又は制度等の利用をしたことにより、上司又は同僚が当該職員に対し、繰り返し若しくは継続的に、嫌がらせ的な言動をすること、業務に従事させないこと又は専ら雑務に従事させること(当該職員がその意に反することを当該上司又は同僚に明示しているにもかかわらず、更に言うこと等を含み、客観的にみて、言動を受けた職員の能力の発揮や継続的な勤務に重大な悪影響が生じる等当該職員が勤務する上で看過できない程度の支障が生じるようなものに限る。)。

第3条(校長の責務)関係

1 職場における「不利益」には、勤務条件に関する不利益のほか、同僚等から受ける誹謗や中傷など職員が受けるその他の不利益が含まれる。

2 妊娠等をしたこと、制度等の利用の請求等をしたこと又は制度等の利用をしたことを理由とする不利益な取扱いについては、既に地方公務員法(昭和25年12月13日法律第261号)等で禁止されており、校長は、こうした不利益な取扱いを生じさせることがないよう徹底するものとする。

第5条(職員の認識すべき事項)関係

教育長が定める事項は別紙1のとおりとする。

第7条(苦情相談への対応)関係

1 校内の相談員には男女を含めるものとする。ただし、職場の実情によりこれによりがたい場合には、この限りではない。

2 長瀞町教育委員会の相談員は、指導主事をもって充てる。

3 苦情相談は、ハラスメント等による被害を受けた本人からのものに限らず、次のようなものも含まれる。

(1) 他の職員についてハラスメント等が生じているのを見た職員からの申出

(2) 他の職員からハラスメント等を生じさせている旨の指摘を受けた職員からの相談

(3) 部下等からハラスメント等に関する相談を受けた校長等からの相談

4 教育長が定める事項は別紙2のとおりとする。

第8条(懲戒処分等)関係

「懲戒処分等必要な措置」とは、地方公務員法第29条第1項の懲戒処分又は訓告、注意その他人事管理上必要な措置をいう。

別紙1

ハラスメント等をなくすために職員が認識すべき事項について(要綱第5条第1項の規定により教育長が定める事項)

第1 ハラスメント等を生じさせないために職員が認識すべき事項

1 基本的な心構え

職員は、ハラスメント等を生じさせないために、次の事項について十分認識しなければならない。

(1) 妊娠、出産、育児又は介護に関する否定的な言動(他の職員の妊娠、出産、育児又は介護の否定につながる言動(当該職員に直接行わない言動も含まれる。)をいい、職員自身に関する単なる自らの意思の表明を除く。)は、ハラスメント等の原因や背景となること。

(2) 仕事と妊娠、出産、育児又は介護とを両立するための制度又は措置があること。

2 教頭等として認識すべき事項

教頭等は、ハラスメント等を生じさせないために、次の事項について十分認識しなければならない。

(1) 妊娠した職員がつわりなどの体調不良のため勤務ができないことや能率が低下すること、制度等の利用をした職員が正規の勤務時間の一部を勤務しないこと等により周囲の職員の業務負担が増大することもハラスメント等の原因や背景となること。

(2) 業務体制の整備など、職場や妊娠等をし、又は制度等の利用をした職員その他の職員の実情に応じ、必要な措置を講ずること。例えば、業務体制の整備については、妊娠等をし、又は制度等の利用をした職員の周囲の職員への業務の偏りを軽減するよう、適切に業務分担の見直しを行うことや、業務の点検を行い、業務の効率化等を行うものとする。

3 妊娠等をし、又は制度等の利用をする職員として認識すべき事項

妊娠等をし、又は制度等の利用をする職員は、ハラスメント等に係る言動を受けないために、次の事項について十分認識しなければならない。

(1) 仕事と妊娠、出産、育児又は介護とを両立していくために必要な場合は、法律や条例等の規定に基づき妊娠、出産、育児又は介護に関する制度等の利用ができるという知識を持つこと。

(2) 周囲と円滑なコミュニケーションを図りながら自身の体調や制度等の利用状況等に応じて適切に業務を遂行していくという意識を持つこと。

第2 ハラスメント等が生じた場合において職員に望まれる事項

1 基本的な心構え

職員は、ハラスメント等に係る言動を受けた場合にその被害を深刻にしないために、次の事項について認識しておくことが望まれる。

(1) 一人で我慢しているだけでは、問題は解決しないこと。ハラスメント等に係る言動を無視したり、受け流したりしているだけでは、必ずしも状況は改善されないということをまず認識することが大切である。

(2) ハラスメント等に係る言動に対する行動をためらわないこと。被害を深刻なものにしない、他に被害者をつくらない、さらにはハラスメント等をなくすことは自分だけの問題ではなく良い勤務環境の形成に重要であるとの考えに立って、勇気を出して行動することが求められる。

2 ハラスメント等に係る言動を受けたと思うときに望まれる対応職員は、ハラスメント等に係る言動を受けた場合、次のような行動をとるよう努めることが望まれる。

(1) 自分の意に反することは相手に対して明確に意思表示をすること。

ハラスメント等に係る言動に対しては毅然とした態度をとること。すなわち、はっきりと自分の意思を相手に伝えることが重要である。直接相手に言いにくい場合には、手紙等の手段をとるという方法もある。

(2) 校内の相談員など、信頼できる人に相談すること。

まず、校内の相談員や職場の同僚、知人等身近な信頼できる人に相談することが大切である。なお、相談するに当たっては、ハラスメント等に係る言動を受けた日時、場所、具体的なやりとり、周囲の状況(他に誰がいたか等)等について記録しておくことが必要である。

(3) 職場内の職員に相談しづらい場合や、各職場において解決することが困難な場合等には、長瀞町教育委員会においてもハラスメント等に係る相談を受け付けている。

別紙2

ハラスメント等に関する苦情相談に対応するに当たり留意すべき事項について(要綱第7条第3項の規定により教育長が定める事項)

1 苦情相談を受ける時の基本的な心構え

職員からの苦情相談に対応するに当たっては、相談員、校長及び教頭等(以下「相談員等」という。)は次の事項に留意する必要がある。

(1) 被害者を含む当事者にとって適切かつ効果的な対応は何かという視点を常に持つこと。

(2) 事態を悪化させないよう可能な限り迅速に対応すること。

(3) 関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守すること。

2 苦情相談の事務の進め方

(1) 苦情相談を受ける際の体制等

ア 苦情相談を受ける際には、原則として複数の相談員等で対応すること。

イ 苦情相談を受けるに当たっては、苦情相談を行う職員(以下「相談者」という。)の希望する性の相談員等が同席するよう努めること。

ウ 相談員等は、苦情相談に適切に対応するために、相互に連携し、協力すること。

エ 実際に苦情相談を受けるに当たっては、その内容を相談員等以外の者に見聞されないよう周りから遮断した場所で行うこと。

(2) 相談者から事実関係等を聴取するに当たり留意すべき事項相談者から事実関係等を聴取するに当たっては、次の事項に留意する必要がある。

ア 相談者の求めるものを把握すること。

将来の言動の抑止等、今後も発生が見込まれる言動への対応を求めるものであるのか、又は喪失した利益の回復、謝罪要求等過去にあった言動に対する対応を求めるものであるのかについて把握する。

イ 対応の時間的な余裕(緊急性)の有無を把握すること。

相談者の心身の状態等に鑑み、苦情相談への対応に当たりどの程度の時間的な余裕があるのかを把握する。

ウ 相談者の主張に真摯に耳を傾け丁寧に話を聴くこと。

特に相談者が被害者の場合、ハラスメント等に係る言動を受けた心理的な影響から必ずしも理路整然と話すとは限らない。むしろ脱線することも十分想定されるが、事実関係を把握することは極めて重要であるため、忍耐強く聴くよう努める。

エ 事実関係については、次の事項を把握すること。

① 当事者(被害者及び加害者とされる職員)間の関係

② 問題とされる言動が、いつ、どこで、どのように行われたか。

③ 相談者は、加害者とされる職員に対してどのような対応をとったか。

④ 相談員等に対する相談を行っているか。

なお、これらの事実を確認する場合、相談者が主張する内容については、当事者のみが知り得るものか、又は他に目撃者はいるのかを把握する。

オ 聴取した事実関係等を相談者に確認すること。

聞き間違えの修正並びに聞き漏らした事項及び言い忘れた事項の補充ができるので、聴取事項を書面(相談カード)で示したり、復唱するなどして相談者に確認する。

カ 聴取した事実関係等については、必ず記録し、保存しておくこと。

(3) 加害者とされる職員からの事実関係等の聴取

ア 原則として、加害者とされる職員から事実関係等を聴取する必要がある。ただし、ハラスメント等が比較的軽微なものであり、対応に時間的な余裕がある場合などは、校長等の観察、指導による対応が適当な場合も考えられるので、その都度適切な方法を選択して対応すること。

イ 加害者とされる者から事実関係等を聴取する場合には、加害者とされる者に対して十分な弁明の機会を与えること。

ウ 加害者とされる者から事実関係等を聴取するに当たっては、その主張に真摯に耳を傾け丁寧に話を聴くなど、相談者から事実関係等を聴取する際の留意事項を参考にし、適切に対応すること。

(4) 第三者からの事実関係等の聴取

ハラスメント等について当事者間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできないと認められる場合などは、第三者から事実関係等を聴取することも必要である。この場合、相談者から事実関係等を聴取する際の留意事項を参考にし、適切に対応すること。

(5) 相談者に対する説明

苦情相談に関し、具体的にとられた対応については、相談者に説明する。

長瀞町立学校における妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等に関する要綱

平成30年1月11日 教育委員会訓令第1号

(平成30年1月11日施行)